読書日記

読書感想「フェミニストってわけじゃないけど、ちょっと感じる違和感について」

今日は、

「フェミニストってわけじゃないけど、ちょっと感じる違和感について」
パク・ウンジ著

という本のブックレビューです。
  この本は書店で見て立ち読みをした時に、チラッと開いたページから溢れるパワーに押されてついつい購入してしまった本です。

韓国の若い夫婦(30代?)の女性側が書いた本ですけれども、おそらく日本より家父長制がもう少し厳しくて、男女の役割、つまり夫の役割や妻の役割というものが、現代日本よりももっと明確で、もっと厳しい社会にいる女性が書いています。

 

 私自身はフェミニストではないし、フェミニストの活動を応援しているわけではありませんでしたけれども、日本や中国、韓国に古くから残る家父長制には少なからず疑問を持っていました。

 夫だからやらなければいけない、妻だからやらなければいけない、などの男だから女だからという考え方には漠然と言葉にならないモヤモヤとした感情が心の中にあったのです。

 

 どうも脳科学的には、脳の機能自体に男女の差というのはほとんどないそうです。ホルモンや体の器官の性差はもちろんあるけれども、脳の機能自体に性差はないというのが今の脳科学の認識だそうです。

 でもなんとなく私たちは女性はこういうもの、男性はこういうもの、という性質や性格・行動などについて漠然とした女性像男性像というものを持っています。

 脳科学の本をいくつか読んで分かったのは、いわゆる女性らしさ、男性らしさというものは社会的・文化的背景によって、自覚的やあるいは強制的に植え付けられたもの、もっと言ってしまうと洗脳されたもので、自分が女性であるからこのような行動を選択するべき、こういうことはしないようにするべき、というふうな考え方に知らず知らず染められて形成されてきたようです。

 

 現に今多く話題になっている LGBTQについても、そもそも自分の性は何なのかというのを自分で決める時代に来ており、それに伴って女性らしさ男性らしさということそのものにも疑問や議論が起きてしかるべき時期なのだろうと思っています。

 

 この著者は現代の日本よりもっと厳しい家父長制がある韓国文化に立ち向かっています。

 でもそれはフェミニストとして立ち上がるというよりも、自分の疑問あるいは自分が感じる不公平さを、自分の身近な人である夫や両親、あるいは夫の両親にも一緒に考えてもらいたい、そして一緒に「昔からこうだったからその行動を続けるべき」ということではなく、その行動を選択するかどうかをもう一度考えてもいいんじゃないか、という問題提起をしています。

 

 確かに一言一言に過敏に反応しすぎていると感じる部分もあるかもしれません。

 けれどもその人にとってはその疑問を持つことが自然であり、また自分の周囲の人にその質問投げかけることもその人にとって自然であるということで、それについては他人がジャッジする問題ではないと思います。

 

 私が読んでいて気持ちよかった理由は、自分でもなんとなく漠然と疑問には感じていたけれども言葉になっていなかったような疑問をうまく言語化してくれて、そうだ、私もこういう風に感じた事があった、ということ思いを掬い取ってくれたからです。

 

 本を読むということについては、必ずしもその読んだ本に完全に同調して、それが正しいという風に受け止める読み方というのは違うと思っています。

 

 この本とは、彼女が持つ疑問や投げかけについて、私もそう思うと感じたり、あるいは私はそこまでは思わない、と思ったり、心の中で拍手喝采したり、やり過ぎじゃないのと思ったり、という風に細かな部分で本と対話しながら読めたように思います。

 

 フェミニストと言うと、どうもやたらと激しく女性の立場を主張するととられがちな風潮がありますが、そういうことではないのかもしれません。

 今まで続けていた行動がこれからも続いていくのが果たして自然な事なのかと疑問を持つ人がいるなら、それに対して改めて考えてもいいんじゃないかというふうな、ごく自然な感情なのだと思います。

 

 こういう、昔なら疑問にすら思わなかったことが疑問になり、提言になっているということは、時代や文化が成熟しているということなのかなと思います。

 

 若い人の感性で書かれていて気持ちよく読める本なので、ぜひご一読ください。

ABOUT ME
大内裕香
社交ダンス指導歴22年。社交ダンスを軸に、Zumba®︎や美ューティBodyWave®︎、そしてYogaのインストラクターをしています。 踊ること、特に人と一緒に空間を共有して身体を動かすことが大好きです。 一緒に、楽しい時間を過ごしたいです。